缶ジュースの国

日記(2023.10.1〜12.25)

26th December 2023
26th December 2023

12月25日

通勤電車でnotepinを開いたら復旧していて安堵する。よかった、部屋に入れた。また同じことが起こっては困るので、年末年始の間にバックアップをとってサービスを乗り換えてしまおうと思う。丸三ヶ月できりもいい。

25th December 2023

12月24日

起きてすぐ昨日の日記を書いて投稿したが、notepinの挙動がおかしい。閲覧用のページにもしたはずの投稿が反映されておらず、一旦ログアウトしてみると、再ログインが弾かれるようになってしまった。閲覧用ページもホーム以外のページに飛ぶと「nothing」と表示される。3か月分の日記にアクセスできなくなった。普段スマホのメモ帳に書いた下書きを貼りつけて投稿しているので、データが全て失われたわけではないが、なんというか、鍵を無くして部屋に入れなくなったような呆然とした気持ちになる(これを書いている25日の朝には復旧していた。サービス側の不調だったようだ)。

お昼にフラッフィーさんのカツサンドとにんじんスープを食べて、支度をして家を出て電車に乗る。notepinは海外のサービスだし、サイトがシンプルすぎてこういう時打つ手がない。この3か月のことを全く思い出せなくなるような気がして、日記に依存していたことを自覚する。ぼんやりしていたら大宮に着いた。大宮ラクーン近くの漫画喫茶に入り、15時からM-1の敗者復活戦を見た。フルフラットの部屋で、コーラ、ココア、無料のソフトクリーム、ウーロン茶とCMの3回に1回くらいのペースでドリンクバーへ行く。最後にCブロックを見ながら明太唐揚げ丼を食べた。おいしいというより味が濃いだけで、それが気分にちょうどよかった。敗者復活の結果を待つ間に大宮ラクーンよしもと劇場に移動して、タモンズ大波、ザ・パンチと決勝のライブビューイングを見た。放送が終わって22時半の埼京線に乗る。暖房の効いた暖かい車内で、お笑いファンのツイートを眺めながら大会の断片を思い出してあーだこーだスマホにメモする40分くらいが、一日のうちもっとも平穏で祭りの後にふさわしい時間だった。

24th December 2023

12月23日

洗濯物を干し終わって、歩いてボーナストラックへ向かう。晴れていて気持ちがいい。年始の休み中は晴れた日にたくさん散歩しようと思う。月日に行って、小沼理『みんなもっと日記を書いて売ったらいいのに』を買った。私は(自分の)日記を売るということについてまだ納得がいってなくて、この違和感を手放さず観察していきたい。会計をしていたら栗本さんが降りてこられて挨拶をした。平日休みなんですねと言われて、一瞬きょとんとする。ボーナストラックの人影の少なさから平日だと勘違いしていたらしい。探していたウルフの日記について聞くと、売れてしまっていた。声の小さい男性と話していると安心する。どんどん店内に人が入ってきたので、また遊びに来ますと店を出た。

通ったことのない道を選んで家まで帰る。擁壁と住宅の間の幅が人ふたり分くらいの狭い道を見つけた。ぼーっと歩いていると今年はああだったなあとかこういう一年だったなあと思考が自動的にふりかえりモードに入っていく。なんでそんなにふりかえりたがっているのか、頭が何かに操作されているみたいで可笑しかった。

23rd December 2023

12月22日

起きたら今週で一番冷たい朝だった。空気が冷えて重い。暖房をつけて、お湯で顔を洗った。家を出るとき暖房を消すことに集中していたら、ハンカチを忘れた。

仕事おわりに紀伊国屋書店に行って欲しかった本を買う。本屋の歩き方の感覚を忘れてしまっていて、何を手がかりにどこへ向かえばいいのか、半分わからない。スマホでAmazonのほしい物リストを見て、スマホで在庫検索をして棚へ向かう。目の前に本が並んでいるのに手元の小さい電子機器を見る。在庫検索してさっき別の本を読んでいた棚に再び戻ることもあって、本屋を空間ではなくて点で見ているからそうなるんだなと思った。そんな状態でもひさしぶりのでかい本屋は楽しい。高山宏の辞書より分厚い本を手に取ってパラパラめくっていたら、「女体温計」という単語がさっと目に入ってきて消えて、ページを戻ったがどこにもなく見失ってしまった。

マクドナルドでグラコロをテイクアウトして帰り、西村紗知『女は見えない』の中田敦彦の章とDr.ハインリッヒの章を読んだ。だらだらしていたら夜がふけていつの間にか1時を過ぎ、しくじり先生のキングオブう大の時間になっていたので、ここまで起きてたなら、と見て寝た。

22nd December 2023

12月21日

通勤中、前を歩いていた人の黒いロングコートのすそに茶色い草のかすがくっついていて、先月の十国峠のことを思い出した。山道を歩くのに普通のパンツを履いていってしまい、下りきったころには膝下に無数のひっつき虫が刺繍のようについていた。湯河原へのバスを待つ数分間で一粒ずつ毟って捨てるのを延々と繰り返すと、ひっつき虫の粘着成分で指先がべとついた。11月中旬の十国峠は上着なしでパーカーで十分なくらい暖かかった。

デイリーポータルZが独立することになって、プープーテレビ(デイリーのyoutube)は終了するらしい。過去動画がどうなるのかはアナウンスされていないが、もしかしたら見れなくなるかもしれない。むかない安藤、ヒロエトオルのテレビ解説、レンチン会、ブッダ物語、対決もの、ともだち探そう…。二十代中盤、就職前にふらふらしていた時期に浴びるように見ていた。昔の自分がライブラリに保存していたお気に入りの動画を再生して、どれも面白さが色褪せない。バズらなくても面白いものは世の中に数多ある。レンチン会の古賀さん大北さんによるリアクションとツッコミのラッシュを久しぶりに浴びて、往年のプロレス名タッグチームを見ているような気持ちになった。

21st December 2023

12月20日

昨日から焼き芋が食べたかった。昨日はカレーが家にあったので買わずに帰って、今日こそはと買う気満々で帰りの電車を降りたが、最寄り駅そばのスーパーでも家の近くのスーパーでも売り切れていて、買えなかった。芋が捌けた焼き芋機はライトが消されて暗くたたずみ、数十分前は芋をあたためていたと思えないくらい冷たく見える四角い鉄の箱だった。機械は停止すると大きくなる。スーパーを手ぶらで出た足でなんとなくファミマに行って、いやここで焼き芋売ってるわけないかとそそくさと退店した。

20th December 2023

12月19日

昼休みに、岡本浩一『上達の法則』を読んだ。仕事や趣味における上達の法則について心理学に基づいて解説した新書で、昼休みにオフィスで読む本はこれくらいがちょうどいい。これくらいというのは仕事との距離のことで、ビジネス書すぎても疲れてしまうし、かといって小説や人文書だと会社から離れすぎていて業務に気持ちを戻すのに時間がかかるし、同僚に何読んでるのと聞かれた時が面倒くさい。会社なんざ関係ねえよと意地張って固い本を読む日もあったけれど、そんな肩が凝るような読み方は今はあまりしたくない。その中間、仕事にも多少活きるがそこを主眼とせずともある程度興味深さをもって読める本、それくらいがいい。それくらいのラインを狙っていきたい。

通勤定期の期限日だったので、帰りの通勤電車でそのことを忘れないように頭のなかで唱えつつ電車に揺られて帰った。改札を出て右に直角に曲がり、最短距離で券売機にたどりつくことができた。

18th December 2023

12月18日

テレワークの日は洗濯の日でもある。いつも通りの洗濯、おしゃれ着洗い、色落ち防止の単品洗い、3回に分けて洗濯機を回した。物干し竿にぎちぎちに吊るされた分厚い服が、冬の弱い光で少しずつ乾いていく。

残り少なくなっていた柔軟剤(レノアリセット ヤマユリ&グリーンブーケの香り)がなくなった。詰め替え用を買うのを忘れないように空になった白いボトルを玄関のど真ん中に置く。あと昨日無くなったボディソープ(ニベアエンジェルスキン ボディウォッシュ サボン&ブーケの香り)の薄紫のボトルも隣に並べて置いた。

仕事が終わってパソコンを閉じ、ダウンに袖を通して玄関へ向かうと、白と薄紫の2本のボトルがペットのようにじっと待ち構えていた。2本のボトルを靴箱の上に移して、スニーカーを履き、ドラッグストアへ向かった。

18th December 2023

12月17日

スーパー。家に玉ねぎがあるので、コウケンテツの10分カレー(フライパンで玉ねぎと豚肉を炒めてそのまま水入れてルーを溶かすだけ)でも作るかねとルーや豚こまをかごに放り込みレジに向かう。レジは4台あるうちの2台しか稼働しておらず、狭い店内に長蛇の列ができていた。並んでいると背後の棚で店員3人が作業したり会話したりしていることに気がついて、レジのヘルプ行かないのかなとそわそわしはじめた。

レジ待ちの列でお菓子の棚が埋まっている。この店は最近改装したのに改装前からずっと動線が悪い。いつまで経っても電子マネーが使えるようにならない。

自分の内側のコップに水が溜まっていくのがわかる。最近はこんなふうに、苛立ちに襲われると「水が溜まっていく」と思うようになった。水が溜まることにはいい悪いはないのでああ溜まりはじめたなあと思う。ただコップのサイズや形状を観察してみる。狭く浅いコップであると同時に、小さくて可愛らしいコップとも捉えられる。そもそも別に自分は急いでいるわけではないのだから、ゆっくり待てばいいだけだ。そうして待っているとすぐにヘルプがやってきて、レジに案内された。会計時にありがとうございましたと言うと、ヘルプの男性店員はどぎまぎしているようなそぶりを見せた。この店員さんはいつも誰に対しても恐縮している。

店を出ると、近くのマンションの解体工事が終わっていて、そこだけ空間がぽっかりと空いて夜が広かった。